これまでは、仮想化のメリットとして取り上げられることが多い、下記3項目についてご紹介してきました。
- ・物理サーバの配置
- ・ハードウェア保守切れおよび陳腐化への対応
- ・本番・保守・開発・テスト・リハーサル環境の効率化
そこで今回は、仮想化検討の際に最も心配となることの1つである、パフォーマンスの問題について考えてみたいと思います。
サーバ個々のパフォーマンスチューニング
お客様に仮想化のご提案をする場合、必ずと言っていいほどパフォーマンスに関する質問をお受けします。確かに、現状では、物理サーバに直接OSを導入する場合とまったく同じパフォーマンスを仮想化環境で得られるとは明言できません。しかしながら、ハードウェア性能の向上や仮想化技術の進歩によって、この差は日々縮まりつつあります。
ご参考までに、現在IBMより提供されている最新のサーバのスペックは、次の通りです。
- ・CPU :2.93GHz Quad-Core ×2個
- ・Memory :128GB
- ・HDD :3.6TB
上記は全て最大スペックでの話ですが、1つのOSに対してこのスペックの最大処理性能を要求するシステムは、まだ少数ではないでしょうか。
パフォーマンス低下の要因
仮想化環境においてパフォーマンス低下の要因となる項目は、大きく分けて次の2つです。
- 物理サーバとOSの間に仮想化層を挟むことによるオーバーヘッド
- 1台の物理サーバで複数のOSが動作することによる負荷の増大
これらは、仮想化製品の性能にも依存しますが、下記を実施することで改善できる部分もあります。以下では、パフォーマンス面から見た導入時のポイントをご紹介していきます。
付属のツールをインストールする
VM製品におけるVMware Tools(※1)のように、仮想化製品に付属のツールが提供されている場合は、それらを適切にインストールすることで、パフォーマンスを向上させることができます。特に、仮想OSの画面が重く操作性が悪いなどという問題は、このようなツールを導入することで解消されるケースがほとんどです。
(※1)VMware Tools:ゲスト OS の中にインストールされる、VMwareのパフォーマンスを向上させる一揃いのアドオンユーティリティ。
相乗りサーバ同士のピーク時間帯をずらす
サーバサイジングは、ピーク時間帯の使用状況をもとにして行われます。しかしどんなサーバでも、常時ピークの状態にあるわけではありません。業務システムなら営業時間中、バックアップやバッチシステムならば夜間が使用のピークで、それ以外の時間帯は、ほとんど負荷がかかっていません。
よって、ピーク時間帯が異なるサーバを選んで相乗りさせることで、処理が集中する時間帯に他のOSにリソースを奪われてしまいパフォーマンスが低下するといった事態を回避することができます。
使用する物理リソースを分ける
仮想化環境では、1つの物理リソースを複数の仮想OSで共用することが可能です。たとえば、1つのCPUコアを、仮想サーバAと仮想サーバBで使用することができるということです。これには便利な点もありますが、パフォーマンスを重視する場合には、あまり望ましい状態ではありません。
よって、個々のサーバに別々のハードウェアリソースを割り当て、互いに他者の領域を侵さないことで、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。
(※2)ハイパーバイザー:
ハードウェアの仮想化を実現する低レベルのソフトウェア。動作に特定のOSを必要とせず、ハイパーバイザーの組み込みだけで、複数OSを動かす仮想環境を実現できる。
ハードウェアリソースごとの目安と注意点を、以下にまとめます。
このように、仮想サーバ同士によるリソースの奪い合いを回避することができれば、仮想化環境においても、必要なパフォーマンスを確保することは十分に可能です。
次回は障害対策(バックアップ/リストア)についてご紹介します。
関連事例
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- 仮想化環境における構築・運用のポイント 『本番・保守・開発・テスト環境の効率化』
- 仮想化環境における構築・運用のポイント 『サーバ個々のパフォーマンスチューニング』
- 仮想化環境における構築・運用のポイント 『障害対策(バックアップ/リストア)』
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