マイクロソフトより提供されている、Microsoft Windows Server 2008 Hyper-Vの仮想化機能を使用し業務用サーバを構築しました。仮想環境でのサーバ構築・管理のメリット、Hyper-Vの機能と懸念事項を交えて導入事例をご紹介します。
Hyper-V/Webアプリケーションサーバ構築
Hyper-V導入を検討した理由
今回の背景として、あるアプリケーションの構築・実装をする際、物理サーバを有効に利用したいという目標があります。各サーバはWindows Server 2008 での構成が予定されており、Hyper-VはサーバOSに標準機能として提供されているため、導入を検討しました。
Hyper-V環境構成
開発環境
社内環境(開発及び検証)を以下の構成で構築。
- ・Webサーバ
- ・DBサーバ
- ・バックアップサーバ
3台のサーバを1台の物理サーバ上のHyper-V仮想環境に構築。
(※物理Serverの障害対策として、各サーバ仮想環境のマスタイメージを取得しておく)
結合環境
結合環境を以下の構成で構築。
- ・Webサーバ : 1台の物理サーバ上のHyper-V仮想環境に構築
- ・DBサーバ・バックアップサーバ : 2台のサーバを物理サーバ上のHyper-V仮想環境に構築
(※物理Serverの障害対策として、データ参照先は別途共有ストレージを設け、復旧を迅速に行えるよう、仮想環境のマスタイメージを取得しておく)
Hyper-Vを使用したWEBアプリケーション環境のメリット
上記環境で作成したことにより以下のメリットを最大限に活かす事が出来ます。
- ・サーバの台数の削除
- ・ハードウェアリソースの有効活用
- ・設置スペースと管理コストの削減
- ・消費電力の削除
- ・ハードウェアメンテナンス時のマイグレーションが容易に行える
- ・バックアップ・リストアが迅速に行える
- ・マスタイメージのコピーで、短期間でサーバ構築が可能
- ・ハードウェアのライフサイクルに依存することなくソフトウェアを利用できる
- ・テスト環境を容易に構築できる
- ・マスタイメージやスナップショット機能を利用し、気軽に複数の環境を構築可能
(※Webサーバを仮想環境で構築する際、物理サーバ上に構築するよりもパフォーマンスが落ちてしまいます。 構成には十分な検討が必要です。)
Hyper-V/ADサーバ検証環境
今回の検証内容は、Active Directoryを構築した仮想マシン上のドメインコントローラ同士の認証です。
Hyper-V導入を検討した理由
検証環境であったため、簡易的に環境を構築する必要があった事と、各サーバはWindows Server 2008 での構成が予定されており、Hyper-VはサーバOSに標準機能として提供されているため。
Hyper-V/ADサーバ検証環境環境構成
| 仮想マシン名 | OS | AD環境 |
|---|---|---|
| Active Directory 1 | Windows Server 2008 Std | Active Directory 2と信頼関係 |
| Active Directory 2 | Windows Server 2003 Std | Active Directory 1と信頼関係 |
| Active Directory 3 | Windows Server 2008 Std | Active Directory 1のサブDC |
| プリンタサーバ | Windows Server 2008 Std | Active Directory 3にドメイン参加 |
- ・2台の仮想OSをマルチフォレストで構成し双方向で信頼関係を結ぶ。2台のうち1台をマルチドメインで構成。
- ・プリンタサーバをドメインに参加。
構築環境
社内で検証を実施する際に以下の構成を用いて開発及び検証を実施。
- ・2台のDCサーバを1台の物理サーバ上のHyper-V仮想環境に構築。
- ・1台のDCサーバと、1台のプリンタサーバを1台の物理サーバ上のHyper-V仮想環境に構築。
- ・物理サーバ2台は共にWORKGROUPで構成しドメインに参加しない。
Hyper-Vを使用したADサーバ検証環境のメリット
上記環境で作成したことにより以下のメリットを最大限に活かす事が出来ます。
- ・ハードウェアリソースの有効活用
- ・マスタイメージのコピーで、短期間で追加サーバ構築が可能
- ・検証用環境の再構築等が容易に可能である
- ・マスタイメージのコピーにより本番環境への移行が容易に行える
- ・他の物理サーバへの移設が容易にできる
- ・スナップショット機能を利用し、気軽に複数の環境を構築可能
- ・スナップショット機能を利用し、問題が起こった場合に、単純にロールバック可能
Hyper-Vのお役立ち情報
Hyper-VはWindows Server 2008 の一部として提供されていますが、「Microsoft Hyper-V Server」として単体での提供も行われています。
Hyper-Vのライセンスとインスタンス
Windows Server 2008 Standardのサーバライセンスを1つ購入した場合、そのライセンスが割り当てられた物理サーバの仮想環境上で、もう一つのWindows Server 2008 Standardのインスタンスを実行できますが、物理インスタンスは仮想環境のサービス・管理のみの利用となります。
ライセンスとインスタンス数に関して下記の表をご覧ください。今回の導入事例ではWindows Server 2008 Standardを使用しております。
| エディション | 物理インスタンス数 | 仮想インスタンス数 |
|---|---|---|
| Windows Server 2008 Standard | 1 | 1 |
| Windows Server 2008 Enterprise | 1 | 4 |
| Windows Server 2008 Datacenter | 1 | 無制限 |
| Windows Server 2008 for Itanium | 1 | 無制限 |
| Windows Web Server 2008 | どちらか1つ | |
Hyper-Vのハードウェア要件
今回Windows Server 2008 Standardの一部のHyper-Vを使用しますので、ハードウェア要件は2008Serverの要件を満たす必要があります。また、Hyper-Vのプロセッサ要件を満たしている必要があります。
- ・64bitプロセッサのみをサポートしています。(Intel IA-32e/EM64T(x64)またはAMD64に対応)
- ・ハードウェア仮想化支援
- 新しいプロセッサの動作モード(特権モード・ユーザーモード)をサポートします。Hyper-Vではハイパーバイザーが特権モードで、仮想マシンがユーザーモードで動作し、完全なパーティションの保護をおこなう。
- ・ハードウェアデータ実行防止
- データの誤実行を防ぐ機能。Hyper-Vではパーティションの保護の為にハードウェアデータ実行防止を利用。
| BIOSの設定 | Intel | AMD |
|---|---|---|
| ハードウェア仮想化支援 | Intel VT | AMD Virtualization |
| ハードウェアデータ実行防止 | Intel XD ビット | AMD NX ビット |
これらの機能は規定で無効化されていることがあります。BIOSの設定で有効化に変更して下さい。
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